MMのひとりごと

とある地方住みオタクの雑記

【感想】映画『羅小黒戦記 ぼくが選ぶ未来』

中国アニメ 『羅小黒戦記(ロシャオヘイセンキ)』 の日本語吹き替え版。ずっと楽しみにしていました!

 

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このパンフレット、満足度が凄い。これは買いですよ~!

 

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特典めちゃくちゃかわいい…

 

もう1週間も経ってしまったのか…ハア……早く2回目を浴びたい…

本当は3回目も4回目も浴びたい…

映画館、いま近所にできてほしい施設ナンバーワン。

 

初めに言っておきますが、私は宮野真守さんのオタクなのでその視点の感想もそれなりにあるかと思います。あとネタバレしかしてないというか、観た人にしか分からない話ばっかりだと思います。

 

というわけで。

 

いや~~~~~すごい。すごいな。

美しすぎる映像と魅力的なキャラクター、そして心に刺さって揺さぶられるストーリー。

ゆったりとしたロードムービーのような要素と、戦闘シーンの独特のスピード感。

静と動の魅力を併せ持った作品だなあと感じました。

 

とにかく画面に惹き込まれる。

私の中では、ジブリ映画を見た時の感覚が一番近いんですけど、と言っても決してジブリっぽいという話ではなくて。絵の力に殴られる感覚、画面の情報量の多さ、観ているだけでわくわくする世界がそこにあるという感覚が、今まで私にとってはジブリ映画だったんですよ。

羅小黒戦記を大画面で観た時に受けた衝撃に一番近かったのは、私が初めて映画館で観たジブリ映画、『千と千尋の神隠し』でした。ただこの感覚は私だけのもので、全ての人にとってジブリがそういう存在ではないですし、説明は難しいのですが……

とにかくそのくらい、自分の人生に深く刻まれるくらい、すごい作品だったということが言いたかったわけです。

 

絵の力に殴られるし映像に度肝を抜かれるけども、決して奇抜なことはしていなくて、全てが自然とそこに存在しているというか。“決め台詞”と言われるようなものも特になかったように思うし、色遣いも派手ではなく柔らかいし、絵はどちらかというと可愛い寄りでデフォルメされてるけど全てのしぐさが凄く人間的で、そういうある意味“アニメ的”ではないところが凄く魅力的だな~~と思ったりしました。

 

あ、私はもちろん“アニメ的”な作品も大好きですよ!

たとえば今年一番出会ってよかった作品として前に挙げた『プロメア』とか分かりやすいですよね。

決め台詞盛り盛り、色づかいも奇抜で、ドーーーン!バーーーン!ハッピーエンド!みたいな。そういう所が大好きなんですけど、本当に羅小黒戦記とは真逆な作品だなあとこの感想を書き始めて気付きました。どっちもそれぞれ良さがあってどっちも大好きだよ!

2020年出会えてよかった作品同率1位!

 

 

色々と言いたいことがありすぎるのですが、観終わってまず初めに浮かんだ言葉が

 

愛だ……

 

だったんですよ。全ての描写からひしひしと伝わってくる制作者の皆さんの愛、登場人物たちの持つさまざまな愛。その全てが美しくて、愛しくて、すっかり惹き込まれてしまいました。

 

戦闘シーンほんとすごすぎない!?あのスピード感で、あの美しい絵が全く崩れることなく動きまくって、それが前後左右上下360度全ての空間を余すことなく利用して行われている。ものすごく奥行きがあるんですよ。

使われてるエフェクトもすごく独特だなあと感じました。上手く説明はできないのですが、決して奇をてらったようなものではなく、それでもこんな戦闘シーン今まで見たことない!と思わせるものだったのが凄くて。いや本当に上手く説明ができない。とにかく見てくれ。

 

ここでちょっと見れるんですけど、これはほんの一部ですからね!

映画館では映像と物語を追うのに一生懸命でそこまでじっくりと観れてはなかったのですが、こうやって改めて観ると本当にすごいな…手描き2Dですよこれ…

 

そして戦闘シーンが注目されがちですけど、何気ないシーンもすごく美しい。あとデフォルメ絵もめちゃくちゃかわいい。食い逃げシーン好き過ぎたな…

 

はあ……シャオヘイたん……

 

キャラクターがまためちゃくちゃいいんですよ。宮野さんが舞台挨拶でも言っていましたが、キャラデザインも日本人になじみのあるというか、日本のオタクに確実に刺さるデザインなんです。今回は吹き替えだったけど、アニメとして全く違和感がなかった。

 

シャオヘイちゃんがもうとにかくかわいい!!かわいすぎる!!顔もからだも全部もちもちしててたまらん。あの腕とか何?なでなでよしよししたいよ~~~私だって師匠って呼ばれてえよ~~~

花澤香菜ちゃんの声であれはずるいよ…かわいいに決まってんじゃん…

 

食いしん坊なとこもほんとかわいい。おなかいっぱいお食べ…

あんなに愛らしいのに、意外と血の気が多くて口が悪いところとかね…でかい猫になった時のギャップとかね…とにかく最高だよね…

人型になるのがまだ上手くないから猫耳としっぽが残ってるなんてさ~~~かわいいの天才か!?もう食べちゃいたい!

ハッッッ…もしかしたらフーシーも子供の頃はけもみみしっぽのショタだったりします!?グッッッッッ(吐血)

フーシー………………

 

ラストのさ~~師匠に抱きつくシャオヘイたんあまりにも…かわいい…

師匠はさ、これからずっとあの天才的に可愛い子の成長を間近で見続けるわけでしょ?は~~~~~なんてことだ…

ここまでで「かわいい」って何回言った?かわいいの大渋滞。

 

そしてムゲンさんも、あんなにかわいいとか聞いてないんですけど!?クールビューティーキャラだと思ってた…いやクールビューティーではあるんだけど、鬼つよ最強チートキャラでありながら戦闘以外ではポンコツ師匠でめちゃくちゃ愛した。何なの萌えキャラなの?シャオヘイちゃん抱えて逃げるとこめちゃ好きです。

言葉足らずで無愛想で不器用なんだけど、ふとした行動や目線、声から優しさを感じて…あんなの好きじゃん?愛…

 

宮野さんの声がまたさ~~~…宮野さんの声を形容する言葉として、私の中では「深い」が一番しっくりきてるんですけど、その深みがまさに何百年と生きてきたムゲンの声なんですよね。年齢不詳とのことですが、どうやら400歳越えだそうですよ!

シャオヘイちゃんとの師弟コンピ、親子というより“じじ孫”を感じる。じじ孫師弟コンビ愛しい~~~~~~食べちゃいたい!

あと腕に付けた手甲で戦うのとかめちゃくちゃかっこよくないですか?天才!オタク、腕や体に巻かれたぐるぐる大好き。あと髪束ねたところからのチョロ毛も好き~~

 

パンフレットで監督がムゲンについて「考えるべきことはもうとっくに考え尽くして答えを出している人」だと言っていてのが凄く印象的で。なるほどな~~~と思ったんですよ。最初から最後までずっとブレないし、何があっても動揺しない。そこにいてくれる安心感が凄いんですよね。人に何かを強要したりもしないし、待つこともできる。完全に悟りの境地ですよ。かっこいい~~

それでもしっかりドジはやらかすというね!完璧じゃないところがいい。やらかす時も、何でもないような顔をしたままやらかすから余計面白いしかわいいんですよ…はぁ…好き過ぎる…


このインタビューめちゃくちゃよかった!

原語版の音声だけでなく、字幕の翻訳まで加味してムゲンを生きる宮野さん、役者として信頼でき過ぎる。

 

 

そして

フーシー………………

 

 

しんどい……

でもあのラストは、悲しくも美しかったな…

 

 

フーシー………………

 

 

フーシーのことを語ろうとすると“フ”と“シ”の2文字しか言えなくなる…

 

フーシーの能力が、人間に壊されてしまったものである自然、植物を操ることなのがもうしんどいですよね。そんなフーシーが自ら故郷の自然となり…ウウ……

 

シャオヘイちゃんが、自分の能力が欲しいからそのために優しくしたの?みたいに聞くところがあったじゃないですか。そこで何も答えないフーシー……ここ一番しんどかった……

たしかにそれも事実かもしれないけど、でもシャオヘイちゃんに居場所を作ってあげて優しい感情を持ったことも本当だと思うんですよね。言い訳をしない男……クッッ

 

フーシー………………

 

私はこの物語の最大のテーマは「選択」だと感じました。

人間によって自然が破壊され、それによって居場所を奪われた者たちが人間を憎み、争いが起こる…というストーリー自体の大筋はわりと王道ではありますが、この物語のテーマは自然破壊への問題提起というよりは、移り変わる現実に対してどう生きるか、何を選択するか、という部分だなあと私は受け取りました。

日本語吹き替え版の「ぼくが選ぶ未来」という副題がまさに!すぎて…誰がつけたものなんだろう、センスが凄い。

都会で人間と共存して楽しく暮らしている妖精たちがいて、その選択ができない妖精もいて。でもそれが間違いだという描き方もされていないんですよね。そこで起こしてしまった行動に問題があったかもしれないけど、フーシーの悲しみも共存しないという選択も決して間違いではなくて。もちろんあのラストも。

うろ覚えなので正しいかはわかりませんが、フーシーの「考えたよ。ここを離れたくない」というセリフな~~~~~……もう……もう……

 

シャオヘイちゃんと出会って、考え方が変わって、人間と共存する道を選ぶ…そしてハッピーエンド!…みたいな展開にはならないんですよね。そこがご都合主義じゃなかったのもよかったなあ。仲間たちも当然ですが館に捕らえられてしまったし…ロジュくん…ウウ……あのシャオヘイちゃんの歓迎会のことを思い出して泣いています。

 

ロジュくんがさ~~無理矢理シャオヘイちゃんの能力を奪おうとするフーシーのこと必死に止めようとするじゃん?あれ、シャオヘイちゃんを守りたい気持ちももちろんあっただろうし、フーシーにそんなことして欲しくないという気持ちも強かったんじゃないかな…もう…全てがしんどい…

 

あと私はこの作品の説明しすぎないところが凄くいいなと思っていて。たとえば初っ端のシャオヘイちゃんが人間に襲われるシーン、あそこ人間の目が死んでてあれ?という違和感はあったんですよ。でもそのまま物語は進んでいって、電車の中でフーシーの仲間が乗客を操っている描写があったじゃないですか。そこで初めてあっ!あの初っ端のシーンはフーシーが仕込んだことだったのか!と気付くわけです。

そういう引き算が本当に上手い。

 

 

色々語りましたが、まだ観ていないけどここまで読んでしまったという人、絶対観てくれよな!!

ただ、観る時にはここで読んだことは全て忘れていただきたい!無理か!

 

中国の作品は円盤化されないのが一般的らしいことをこの前知りました。なので!円盤が出るという保証はないので!今のうちに映画館でぜひご覧ください!

だってほしいやん?円盤、ほしいやん?めちゃくちゃ評判良くて話題になれば可能性はあると思うんですよ。某社会現象の陰に隠れてほしくない!

原語版と聞き比べてみたいし、字幕と翻訳版の違いも見てみたいし!だからおねがいしますアニプレックス様!!あなた様の力なら…!

 

は~~~~私はとにかく2回目を浴びたいんだ…

この1週間、観てもいないのにどんどん師弟への愛おしさが増しているし、フーシーへのしんどさも増している…

 

田舎の人間にとって、映画館でメジャーではない作品を見るというのは簡単なことじゃないんですよ。だって!地元でやってくれない!

…ん?メジャーじゃない…?なんで!?地元の映画館でも上映して下さいよ!客が入るかどうかは…わかりませんが…

社会現象になっててもおかしくない作品だと思ってますよ私は…

 

私の中で、その作品に沼ってもう戻れないところまで来ているかどうかの基準が 「二次創作を漁るかどうか」みたいなところがあって、結論から言うと、もう戻れないところまで来ていますね…

 

 

最後に舞台あいさつの話を少ししますが、本当に仲良しで楽しそうでめちゃくちゃ癒されたな~~

宮野さんが登場したときに、これもしかして髪型ムゲンさま意識してます!?と思っていたのですが…

どうやら正解だったようで無駄にテンションあがっちゃったな!普段こういうこと全く気付けないので…

 

いや~~それにしても、映画の続編も考えているとのことでめちゃくちゃ嬉しい~~~師弟のその後の活躍が見れるのだとしたら泣いて喜ぶし前売り10枚は買っちゃうな!

ハッッッ日本での公開はまた遅れたりする?映画のために中国に飛ぶか?(あながち冗談でもない)

 

続編の展開について聞かれた花澤さんが、ムゲンのことを掘り下げてほしいというような話をしてて、それ~~~~~~~~~~!!(極太声)となったんですよ。だって人間なのになんでそんな長生きなん?とか何でそんな鬼つよなん?とか、シャンプー何使ってるん?とか気になること色々あるやん?

と思っていたら……

 

君清篇番外「蓝溪镇」
https://manga.bilibili.com/detail/mc26551

 

なんかそんなようなものが存在しているだと!?400年前の過去編漫画だそうで…

主人公はムゲンさんじゃないのですが、過去がどうやら掘り下げられているとのこと。ありがてえ~~~~~~~痒いところに手が届くジャンル、羅小黒戦記!

こっちもそのうちアニメ化してくれないかな~~

 

そして今回の映画の原作であるWebアニメはこちら。映画の4年後だそうで。

1話だけ見たんですけど、シャオヘイちゃん大きくなってちょっとイケ猫になっとるやないか~~~~~大興奮!

シャオヘイちゃんに攻めの才能を感じずにはいられない。

これからじっくり見ていくぞ!

どうやら続編も始まるようで…楽しみですね~~

 

なんと有志の方による非公式字幕サイトなんてものもあるようで…

羅小黒字幕組(https://sites.google.com/site/lxhzmz/home)

なんて手厚い…すごい…

利用させて頂きますね!

ちなみに先程紹介した過去編漫画の翻訳もここにありますよ~

 

 本当は中国語がわかれば一番いいんですけどね。 

去年、推しを追いかけて中国に渡った時の出来事をきっかけに、中国語を勉強したい!と思った私ですが、実際なかなか時間が取れず…。そんな中、今回改めて本気でやってみようという気持ちにさせていただきました。仕事辞めて勉強したいよ~~~ 

教本だけは持っていたので、さっそく辞書を買いましたよ!やってやるぞ!

 

最後に。

なんか、この作品の凄さを語る上で「日本のアニメはこうで~」みたいに悪い意味で語られてることが結構あって、そういうの正直辟易というか…あんまり好きじゃないなあと思ってしまったんですよね。そもそもひとくくりにするなよという話なんですけど。

それにこの作品は、そうやって何かと比べたりしなくても本当に素晴らしいのに、そんな狭い範囲で語るのって本当にもったいない。日本と比べてすごいわけでもなく、中国だからすごいのでもなく。純粋にいちアニメーションとして素晴らしいので、何の先入観もなく全身で作品を感じて欲しいなあと思ったのでした。

 

まあそんなわけで。

何度も言いますが2回目浴びてえよ~~~~~~

そしてお願いだからみんな、『羅小黒戦記 ぼくが選ぶ未来』をよろしくな!

 

 

 

ここまで読んでくださってありがとうございました!